御祭神について

当分院の神殿は、本殿と左右に脇殿を備えております。


 本殿
本殿
御祭神・・・・・・・
あいどの
相殿の神・・・・・・
大国主大神
ろくざ
六座
あめのみなかぬしのおおかみ
天御中主大神
たかみむすびのおおかみ
高皇産霊大神
かみむすびのおおかみ
神皇産霊大神
あまてらすおおみかみ
天照大御神
うぶすなおおかみ
産土大神
あめのほひのみこと
天穂日命
本殿
天穂日命は、天照大御神の第二の御子・国造家の祖神
 御祭神は大国主大神である。相殿あいどの(同じ殿内に主神の外、所縁ゆかりの神を祭祀する事)に六座(神様を数える数詞…○柱などとも云う)を奉斎申し上げる。天御中主神あめのみなかぬしのかみ高御産巣日神たかみむすびのかみ神御産巣日神かみむすびのかみは「造化三神ぞうかさんじん」と称され、天地の始の時高天原に成りました神々である。ムスビは「産霊むすび」であり創造・発展・完成せしめる神秘霊妙なご神徳を意味する。大国主大神の神事かみごと(幽事)の主宰つかさとしてのご霊徳は、このムスビのご霊威の具現者たるご神格に坐しますわけである。天照大御神あまてらすおおみかみは皇祖神であり、産土大神うぶすなおおかみとは地縁に結ばれた鎮守の神を云い、分院では、母村十津川村鎮座の玉置神社の神璽しんじ奉斎 申し上げている。


 左脇殿(神座に向かい本殿の右)
熊野本宮坐大神 
住吉大神 

熊野本宮大社 (和歌山県東牟婁郡本宮町に鎮座)

熊野本宮坐大神くまのほんぐうにますおおかみとは素戔鳴尊すさのおのみことの事である。
素戔鳴尊すさのおのみことは大国主大神の父神である。

 神体と共に存する神璽の木札には、崇神天皇六十五年始建熊野本宮とあり、明治二十七年四月三日の日付と共に熊野坐神社宮司  正七位 竹内春榮の署名がある。裏面に同社焼印。
 尚、奉斎する祠には明治三十五年十月十二日日付の棟札を存し、祭主 中重廉しげかど他に権中講義 下村万太良(郎)、訓導 前儀忠よしただなど教導職の名がみえる。由来を記し元奈良県吉野郡十津川村大字出谷里小字松柱の辰巳家 の祠に祭祀されていたが、明治二十二年の大水害により罹災し入植と共に奉遷された事が されている。


住吉大神すみのえのおおかみ

 「住吉」は今日一般にスミヨシと読むが古くはスミノエと読む。日本書紀神代上にイザナギの命が禊ぎ祓いを行った時に生まれ出でた神としてみられ「そこ筒男つつのおのみこと中筒男なかつつおのみことうわ筒男つつおのみことは、是れ即ち住吉大神すみのえのおおかみなり」と述べている。神功皇后じんぐうこうごうを加えて国防の神として信仰を集め或いは水運・農業の神として られる。
 神体として青銅鏡 を納め、棟札三枚を存する。内二枚は母村に於ける造営の折のもので「安永あんえい六歳丁酉ひのととり十一月六日」と「寛政拾壱年未じゅういちねんひつじ拾壱月じゅういちがつ廿六日にじゅうろくにち」の日付を残す。安永六歳丁酉は安永6年(1777年)でありひのととりの年にあたり寛政拾壱年未は寛政11年(1799年)であり己未つちのとひつじの年にあたる。二枚ともに庄屋 中南何某 …以下造営に当たった総代そうだいの名が記されている。
 残り一枚は移住後の明治廿四年じゅうよねん四月十二日の日付を残している。由来を記し明治22年8月の母村に於ける未曾有の水害に罹災 同年10月「我輩氏子ノ者共当地ニ移住ス。此際故里このさいふるさと山天村(山手村か)ヨリ御神璽ヲ奉移リ本日本社 を創設シ永ク此社ニ鎮座護民ヲ奉祈のみまつら

氏子 中南雅都 北村袈四郎 泉谷惣次郎 松葉正太郎 松葉金定 松本俊治 松本忠夛 田垣金久 


 右脇殿(神座に向かい本殿の左)
出雲大社龍蛇神りゅうじゃじん

 旧暦十月(新暦11月)の頃、出雲地方は特に風波が激しく時に海蛇が波に乗って稲佐いなさの浜に浮かび寄ってくる。古来こらいこれを龍蛇神様と呼び大国主大神のお使い神として信仰をうけている。全国の八百萬神やおよろずのかみは、龍蛇神様のお導きにより出雲の稲佐の浜に御到着になり、神在祭かみありさいの間 出雲大社にて大国主大神の主宰のもと顕世うつしよの事どもを神議かむはかられるのである。所謂縁結 びの神たるゆえんである。
 龍蛇神 様は古くから、豊作・豊漁・家門繁栄・商売繁盛等の信仰が篤い神様である。出雲大社(島根)より分院への拝戴はいたいは昭和13年11月と伝えられている。


 祖霊社
祖霊社
御祭神・・・・・・
かくりよしろしめすおおかみ
幽冥主宰大神

祖霊社
 御親大神と敬仰申し上げます大国主大神様は、出雲大社に「幽事=カミゴト=神事」の司としておしずまりである。生きとし生けるものはすべて大神の「霊魂たましい」を司られるご霊威れいいの許に育み育てられて顕世うつしよ生命いのちを戴いたのであり、この世の勤めを事終え身罷みまかっては再び「幽事=かみごと=神事」の世界へ帰り入り、大神の御元みもとに蘇えって永遠の命をたまわるのである。幽世における御霊徳 をお称え申し上げる御名を幽冥主宰大神かくりよしろしめすおおかみと申し上げるのである。